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yori cafe

親はほっと、子はわくわくする西宮の親子カフェ

はじめてのおつかい

その瞬間は突然やってきた。
「今から一人でおつかいに行く。」
ただただ自分の耳を疑うばかり。


【はじまり】
外では私の足にくっついて行動する我が家の長男(4歳)だが、夕方の忙しい時期に突然買い物に行くと言い出した。だが前みたいにエレベーターでまたギブアップになる可能性が高い。いずれにせよ、子どもの純粋な夢は最大限叶えてあげたい。そう言えば、「育休中にやりたい50の事」にも入っていたはずだ。人員が私一人であるのは、かなりの不安材料であるが、このチャンスを逃せないと思い、急遽身支度をする。息子は意気揚々とリュックを背負い、財布とお金を求めてきた。納豆とキウイを依頼し、自分の好きな物も買っていいと伝えて千円を手渡す。その後、第一関門のエレベーターは、意外とあっさり乗り、ボタンを押してクリア。いつもとは違う様子に少し焦りが出てくる。ここからノンストップの「はじめてのおつかい」が始まった。

【私のミッション】
「決して見つかってはならない」でも「安全第一」が、私のミッション。某テレビ局の企画では、10数名のスタッフがつくが、私は撮影も安全管理も一人でしなければならない。レクリエーション団体職員の腕が試される時がきた。まずはエレベーターに追いつくべく、6階の階段を猛ダッシュで駆け降りる。しかしもう既に彼の姿はなく、マンション前を見渡してもいない。いきなり迷子か、、。焦って最初の角まで走ると、なぜか建物裏の自転車置き場から彼が現れ、いきなり追跡がバレてしまった。「どうしても下まで見送りたくて・・」という嘘で切り抜け、一旦仕切り直すことに。そこからは、一区画ごとに裏道を全力疾走し、先回りでビデオ撮影を試みる。目的地のアクタまで徒歩10分の距離、全5区画の長旅となった。角でビデオカメラを掲げると、どうしても変質者扱いの目で見られるが、もうそんな事を言っている場合でもない。何とか遠方からビデオに収め、とうとう順調に目的地のアクタ前の信号まで辿り着いた。どうやら余裕にも「桃太郎」を歌ってやって来たようだ。そして最後の難関である信号に先回りするため、薬局を回り、恐る恐る覗き見る。不幸にも彼は道を間違い薬局の方に。私と二度目の遭遇をすることとなった。「お父さん、何してるの?」の一言。今度こそは逃れられない。ダメ元で「お母さんが、もう一つ果物を買い忘れたので、、」と言うと、「あっそう。」と納得し去ってしまった。救われた命を大切に、木陰から信号待ちの姿を収める。やっと信号が「青」になったものの、一向に動く気配がない。どうやら左折車が行き去るのを延々と待っているようである。何とか「赤」になる直前に、左折車の列もなくなり、猛ダッシュでアクタへと辿りついた。過去の言動を考えると、ここに辿り着いたのは奇跡としか言いようがない。

【最終ステージ】
感動に浸っていると、すぐに姿を見失い再度焦る。走って追いかけると、どうやら店内の果物売り場まで行けたようだ。ただ「りんご」も「バナナ」も、そして「キウイ」も通り過ぎ、グルグルと売り場を回るだけ。迷子か、それとも心が折れたのか、、。その後も5分程グルグル回り、突如ふいをついて、私が隠れるサランラップ売り場に入ってくる。3度目は死んでも見つかれないと思い、左へ右へと身を隠し、小さい体で必死に頑張る彼を見守り続けた。ただ一向に目的物を見つけることができず、その目には涙が浮かび始める。やむを得ず、かなり忙しそうな店員さんに、何とか協力を乞うことにした。かなりの親バカであるが、今回だけは何とか成功に結びつけたい。店員さんもこちらの緊迫感を読み取ったのか、仕事を置き、一目散で息子の元に向かってくれた。ただ時既に遅く、売り場中央で彼は大号泣。店員さんが質問しても、「母親と来たかった」というよく分からない言葉の一点張り。これ以上は迷惑をかけられないということで、私が3度目の登場をすることに。「お母さんが、もう一つ忘れ物をしてたので」という、もうどうでもいい嘘を一応つきながら、泣きじゃくる息子を抱きかかえ、何度も褒め称えたのでした。

【おわりに】
子どもの成長は何とも早いものです。時として、親の知らぬ間に、親の想像を遥かに超える急激な成長をしていることもあります。一方、やりたい気持ち、挑戦の気持ちは、今回のように突然やってきます。親としては、日々の成長、突如くる急激な成長をしっかり見守りながら、その成長に応じた「挑戦の機会」を見逃さないようにしたいと思いました。

(2012.4.29の記録より)

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yoricafe.hatenablog.jp